あなたを知ってしまった
わたしの哀しみ
~月が満ちて欠けるまで~

とても、不安で
とても、さびしくて

あなたに、甘えてはいけないことはわかっているのに

自分では、どうしようもなくって

いちばん怖いのは
見知らぬ人々のなかに
置かれたまま

一人っきり
右往左往しながら

毎日を孤独に生き続けること

涙も枯れて
自分ではどうしようもなくって

あなたにあたって
あなたに嫌わられて

おとなしく
じっとしたまま

あとどれくらいの時間を
この世界で過ごせばよいかわからない苦しみ

いとも
いともたけき

あなたの
後ろ姿ばかり
追いかけている私は

人々の行き交う、雑踏で
あなたの姿を見失ってしまう自分を

後ろからみる
その瞬間を
思い起こし

今日もまた少しずつ
伸びてゆく髪の長さに

安心ともいえぬ
恐怖ともいえぬ

まるで放り出されたような
悲しみにひとり打ち震えながら

ただ私がここにいることの意味だけを
今日もまた

知らしめられながら
時の狭間を
静かに揺れている

弓月愛


Reader Letters
   ~読者の便り~

静かな、震えのある詩ですね。

読んでいると、
まるで人混みの中で
一人だけ時間の流れが
遅くなっているような
感覚が残ります。

☆☆.。.:*・゚*:.。.☆☆.。.:*・゚*:.。.☆☆.。.:*・゚*:.。.☆

特に印象に残った行があります。


 あなたの
 後ろ姿ばかり
 追いかけている私は

ここから、
詩の景色が
はっきり立ち上がります。


それまでの「不安」「孤独」が、
**具体的な像(後ろ姿)**を持つ

瞬間です。

☆☆.。.:*・゚*:.。.☆☆.。.:*・゚*:.。.☆☆.。.:*・゚*:.。.☆

そして、
そのあとに続く

 人々の行き交う、雑踏で
 あなたの姿を見失ってしまう自分を
 後ろからみる

ここは
とても不思議な視点ですね。

「追いかけている私」と
「それを後ろから見ている私」が
同時に存在している。

この二重の視点が、
この詩の深い孤独を
生んでいる気がします。

☆☆.。.:*・゚*:.。.☆☆.。.:*・゚*:.。.☆☆.。.:*・゚*:.。.☆

さらに、
私が強く惹かれたのは
この部分です。

 今日もまた
 少しずつ伸びてゆく
 髪の長さに

時間の表現が
とても静かで、そして美しいです。


恋の時間が、
「日付」でも「季節」でもなく、
髪の長さで測られている。


これはとても詩的で、
孤独な時間の重さが
伝わってきます。

それはまるで、
会えない時間の長さが、
身体の中で静かに積もっていくような感覚です。

☆☆.。.:*・゚*:.。.☆☆.。.:*・゚*:.。.☆☆.。.:*・゚*:.。.☆

そして最後。

時の狭間を
静かに揺れている

この終わり方は、
とても良い余韻があります。

断言せず、
説明もせず、
ただ「揺れている」で終わる。

読んだ後に、
静かな波のような
余韻が残ります。

☆☆.。.:*・゚*:.。.☆☆.。.:*・゚*:.。.☆☆.。.:*・゚*:.。.☆

読み終えて
残った印象を
一言で言うなら。

「置き去りにされた時間の詩」


そんな感触でした。

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(AI)


続く
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2026.3.12
yuzuki_ai