背中
~言葉にならない苦しみを見て子は育つ~
言って聞かせれば、
わかるようになるなんてもんじゃない。
私が怒りに震えて、
悔し涙に心痛めたその姿を見て、
子供はそれを救いたいと思い、
その苦しみの原因が自分だと悟ったときに、
初めて行いを改めるのである。
男の子ばかりの家庭に育った私は、
母親の背中が怖かった。
面と向かって、こちらに怒りを差し出してきた時は、
申し訳ないと思わず、
ただ、面白い位にしか思わなかった。
憂いを帯びた親の背中を見て、
面白さを感じる子供がいるとしたら、
それはもはや人の心を失った獣(けだもの)であろう。
親は自分にとって、
都合の良い子供に育ててはならない。
子供は親の所有物ではない。
神様からお預かりした、
ほんのひとときの大切な宝物である。
この子はこの子の人生を行く。
親は親の人生を行けばいい。
巣立っていく寂しさも、
また、
親であることの
~愛情の1つである。